コープソリューション2016年4月1日号掲載
さて、前回の記事の中で、Webカタログが果たした功績について、生協ECの利用者が、初めてECらしい注文方法にふれることができた点を挙げました。
たしかに、それまでと違って、当時はまだスマホが登場する以前だったため、パソコンにはなりますが、それさえあれば手元にカタログがなくても注文できるということは、注文番号での注文だけで、商品画像を表示しての注文が生協ECにはなかったこともあって、画期的な仕組みではありました。
とはいえ、商品カタログをそのまま掲載したということは、カタログ紙面と同一のプロモーションしか提供できないというECにとってはある意味致命的な限界をも示したことになります。
やはり、ECとはその特性を生かして従来型のプロモーションを超えたアプローチがあってこそのものだからです。それ故に、紙媒体からECへの移行の容易性やECを利用者が実感できる利便性を踏まえて、Webカタログは生協ECにおける入門編であると思っています。
こうして登場したWebカタログですが、生協EC「eフレンズ」の利用構成比で30%程度に達する生協もあり、未だに半数近い利用比率を堅持する番号注文に次ぐ注文方法としての地位を確立しています。
その後、日本生協連のインターネット共同基盤CWSの登場とともに、単純に紙のカタログをWeb化しただけの存在から、多様化したEC機能にあわせて、より高機能になったWebカタログが登場します。
このCWS版の開発には筆者も関わらせていただいたので、思い入れもあるのですが、凸版印刷(株)が印刷製版会社ならではの技術で、製版媒体からより安定的な電子カタログの制作技術を提供してくれました。
機能面では、注文済商品の画像の横に赤で丸に「済」というマークを表示したり、1ページずつの表示だったものを見開きでカタログ表示ができるようにしたり、カテゴリ別の商品が検索できたりと、電子カタログでありながら、ECの利便性を実現するものとなりました。
このCWS版のWebカタログによって、CWS導入生協の多くで、Webカタログが標準機能として普及することとなりましたが、紙媒体のプロモーションから脱却できないという課題はそのままになっていました。また、製版技術との連動性の高さは、違う製版会社と連動しているカタログのWebカタログ化には、様々な制約や過重なコストがかかるといった問題もあり、すべての生協での導入ということには至らなかったことも事実でした。
そうした中で、コープきんきが独自基盤への移行を行う中で開発したWebカタログの仕組みは、いまや電子カタログなどの標準となったPDFデータから、簡単にWebカタログを生成することを可能とし、製版会社に依存していた高コスト問題を一気に解消することになりました。また、特筆すべきは、PDFデータというのは、製版データなどとは関係のない、パソコン上でワードやパワーポイントなどのソフトで作成されたチラシやパンフレット上のデータからでも変換が可能です。つまりは、パソコンで作った簡単なパンフレットでも、そのままWebカタログとして公開することが可能になるということなのです。
ただ、この時点ではきんきの独自基盤に依拠した仕組みのため、それ以上の広がりを見せることはありませんでした。
この春、コープ東北で、この方式のWebカタログの仕組みをCWS共同基盤の外部連携方式のシステムとして稼働することが決まりました。
このことは、CWS導入生協であれば、新しいWebカタログを随意に導入することができるわけです。おそらく、従来型のものと比べて、運用コストは格段に合理化できることは明らかで、すでにいくつかの生協が導入に動いている模様です。
このように、当面はコストを重視して導入が進むかもしれませんが、共同購入・宅配のカタログから脱却できなかったWebカタログのプロモーションが、EC独自の道を歩み始めたことがポイントといえます。
Web独自のこだわり商品を詳しく説明するのに、いちいちWebサイトを作っていてはコストも時間も合わないのが実情です。ところが、新方式であれば、メーカー提供のパンフレットをスキャンするだけで、詳しい商品説明のサイトが作成でき、そこからECの注文画面に遷移することも簡単に実現できます。
ここへ来てようやく、Webカタログが、その名の通り、紙からWebへと昇華しはじめたといえるのではないでしょうか。
さて、前回の記事の中で、Webカタログが果たした功績について、生協ECの利用者が、初めてECらしい注文方法にふれることができた点を挙げました。
たしかに、それまでと違って、当時はまだスマホが登場する以前だったため、パソコンにはなりますが、それさえあれば手元にカタログがなくても注文できるということは、注文番号での注文だけで、商品画像を表示しての注文が生協ECにはなかったこともあって、画期的な仕組みではありました。
とはいえ、商品カタログをそのまま掲載したということは、カタログ紙面と同一のプロモーションしか提供できないというECにとってはある意味致命的な限界をも示したことになります。
やはり、ECとはその特性を生かして従来型のプロモーションを超えたアプローチがあってこそのものだからです。それ故に、紙媒体からECへの移行の容易性やECを利用者が実感できる利便性を踏まえて、Webカタログは生協ECにおける入門編であると思っています。
こうして登場したWebカタログですが、生協EC「eフレンズ」の利用構成比で30%程度に達する生協もあり、未だに半数近い利用比率を堅持する番号注文に次ぐ注文方法としての地位を確立しています。
その後、日本生協連のインターネット共同基盤CWSの登場とともに、単純に紙のカタログをWeb化しただけの存在から、多様化したEC機能にあわせて、より高機能になったWebカタログが登場します。
このCWS版の開発には筆者も関わらせていただいたので、思い入れもあるのですが、凸版印刷(株)が印刷製版会社ならではの技術で、製版媒体からより安定的な電子カタログの制作技術を提供してくれました。
機能面では、注文済商品の画像の横に赤で丸に「済」というマークを表示したり、1ページずつの表示だったものを見開きでカタログ表示ができるようにしたり、カテゴリ別の商品が検索できたりと、電子カタログでありながら、ECの利便性を実現するものとなりました。
このCWS版のWebカタログによって、CWS導入生協の多くで、Webカタログが標準機能として普及することとなりましたが、紙媒体のプロモーションから脱却できないという課題はそのままになっていました。また、製版技術との連動性の高さは、違う製版会社と連動しているカタログのWebカタログ化には、様々な制約や過重なコストがかかるといった問題もあり、すべての生協での導入ということには至らなかったことも事実でした。
そうした中で、コープきんきが独自基盤への移行を行う中で開発したWebカタログの仕組みは、いまや電子カタログなどの標準となったPDFデータから、簡単にWebカタログを生成することを可能とし、製版会社に依存していた高コスト問題を一気に解消することになりました。また、特筆すべきは、PDFデータというのは、製版データなどとは関係のない、パソコン上でワードやパワーポイントなどのソフトで作成されたチラシやパンフレット上のデータからでも変換が可能です。つまりは、パソコンで作った簡単なパンフレットでも、そのままWebカタログとして公開することが可能になるということなのです。
ただ、この時点ではきんきの独自基盤に依拠した仕組みのため、それ以上の広がりを見せることはありませんでした。
この春、コープ東北で、この方式のWebカタログの仕組みをCWS共同基盤の外部連携方式のシステムとして稼働することが決まりました。
このことは、CWS導入生協であれば、新しいWebカタログを随意に導入することができるわけです。おそらく、従来型のものと比べて、運用コストは格段に合理化できることは明らかで、すでにいくつかの生協が導入に動いている模様です。
このように、当面はコストを重視して導入が進むかもしれませんが、共同購入・宅配のカタログから脱却できなかったWebカタログのプロモーションが、EC独自の道を歩み始めたことがポイントといえます。
Web独自のこだわり商品を詳しく説明するのに、いちいちWebサイトを作っていてはコストも時間も合わないのが実情です。ところが、新方式であれば、メーカー提供のパンフレットをスキャンするだけで、詳しい商品説明のサイトが作成でき、そこからECの注文画面に遷移することも簡単に実現できます。
ここへ来てようやく、Webカタログが、その名の通り、紙からWebへと昇華しはじめたといえるのではないでしょうか。