コープソリューション2016年10月1日号掲載
組合員が生協や生協のインターネットサービスに求めているものは、YAHOO!やGoogleといったマルチラウンドなサービス展開をし、インターネットポータルサイトとしてすべてを包含している存在になり代わるものではありません。
TwitterやFaceBookなどのソーシャルメディアについても、生協がそれらを活用する側に回ることはあっても、みずからがコミュニティシステムを運営する必然性は、閉ざされたグループでの交流というある種の目的を持った場面を除いては、あまり考えられるものではありません。
購買サイトとしても、アマゾンや楽天とは規模的にも扱い品目的にもかなりの開きがあります。
もとより、年会費や送料もなく、食料品や日用雑貨、ふだん用の衣料というきわめて生活に密着した商品ジャンルで、週一注文、週一配送、過半の商品がリピート注文という定期購買型の生協の注文サイトとアマゾンや楽天とを比較することがナンセンスだといえます。
こうした購買サービスの利用は、先に挙げたアマゾンや楽天を「購入することの楽しみを包含したオンデマンド型ショッピングサービス」と位置づけた場合、生協のそれは、日常のくらしの中で、「必要な物品を、もれなく、手間をかけずに調達するためのサービス」と定義できるかもしれません。ここでいう、「もれなく、手間をかけず」というのがキーワードであり、求められるアプリの第一のコンセプトです。
生協のサービスを極論すれば、日常生活に必要な物品を、常に絶やすことなく自動的に補充してもらえるサービスと言い換えてもいいかもしれません。
とある古くからの生協では、かつて、配達の担当者が組合員のご家庭の冷蔵庫や食品棚の中を確認し、不足する物品を勝手に注文するということで喜ばれていたといいます。勝手にと云うと語弊がありますが、組合員と担当者との信頼関係に基づく暗黙の了解、とでも云っておきましょう。
まさに、これからの生協の注文も、組合員が一切の斟酌をせずに、必要な物品が必要なだけ家庭内に在庫されている。いわゆる家庭内在庫管理と自動注文、これが究極の姿でしょう。これを実現するには、かつては、気の利いた担当者がご家庭に上がり込まないと達成できなかったのかもしれませんが、それは今日的な対応とは云えない部分も多いです。しかし、現在では、そういったことをITの力を借りて実現することが、徐々にですが可能になりつつあります。
すでに、一部の生協で活用されている家計簿アプリや冷蔵庫アプリといったものが、家庭内在庫管理の一翼を担っています。もともと生協で利用された商品の情報は生協が管理しています。家計簿をつけることで、生協以外の販売店で購入した物品の情報を登録することになります。こうして、家計支出を管理する家計簿によって、入ってきた物品を把握することができるようになります。冷蔵庫管理アプリはその反対で、消費した物品を把握するためのものになります。冷蔵庫だけでなく食品棚も管理することで、物品の消費や支出を管理することができるのです。
とはいえ、こうした完全自動型の注文システムやアプリを一気に実現できるかというと、なかなかハードルが高いと云わざるを得ません。自動運転自動車にしても、まず、スタートは衝突警報から始まり、自動ブレーキ、進路逸脱防止、自動車庫入れと段階を踏んで有人運転手が乗車している前提での試験走行にまでたどり着きました。
そこで、アプリの第二のコンセプトは、「成長するアプリ」です。
ユーザビリティー(操作性や使い勝手)や提供するサービス機能について一気に完成形をめざすのではなく、組合員の反応、技術動向や後方支援システムなどの充実度を見据えながら、追加拡張や部分改修をしながら育てていくことが重要です。
これは言葉にすれば簡単なように思えますが、実は、それを実現するためには、アプリの基本構造から見直していく必要があります。
ご承知の通り、スマホのアプリとひとことで云っても、日本で主流となっているアップル社のiPhoneと、Google社の基本OS「アンドロイド」を搭載したスマホとがあり、その両方に対応したプログラムを作らなければならない宿命を背負っています。
このため、最初の製造はもとより、ちょっとした改修も両方に行わなくてはならず、手間も費用も二倍かかるというのが悩みでした。
最近では、両者の違いを包含して、同じ構造のプログラムから両方のプログラムを生成することができるシステムも登場してきています。
こうした最新の技術を活用しながら、アプリを成長させていくことも、より使いやすく、かつ、使われるアプリを提供するためには必要な考え方ではないかと思います。
組合員が生協や生協のインターネットサービスに求めているものは、YAHOO!やGoogleといったマルチラウンドなサービス展開をし、インターネットポータルサイトとしてすべてを包含している存在になり代わるものではありません。
TwitterやFaceBookなどのソーシャルメディアについても、生協がそれらを活用する側に回ることはあっても、みずからがコミュニティシステムを運営する必然性は、閉ざされたグループでの交流というある種の目的を持った場面を除いては、あまり考えられるものではありません。
購買サイトとしても、アマゾンや楽天とは規模的にも扱い品目的にもかなりの開きがあります。
もとより、年会費や送料もなく、食料品や日用雑貨、ふだん用の衣料というきわめて生活に密着した商品ジャンルで、週一注文、週一配送、過半の商品がリピート注文という定期購買型の生協の注文サイトとアマゾンや楽天とを比較することがナンセンスだといえます。
こうした購買サービスの利用は、先に挙げたアマゾンや楽天を「購入することの楽しみを包含したオンデマンド型ショッピングサービス」と位置づけた場合、生協のそれは、日常のくらしの中で、「必要な物品を、もれなく、手間をかけずに調達するためのサービス」と定義できるかもしれません。ここでいう、「もれなく、手間をかけず」というのがキーワードであり、求められるアプリの第一のコンセプトです。
生協のサービスを極論すれば、日常生活に必要な物品を、常に絶やすことなく自動的に補充してもらえるサービスと言い換えてもいいかもしれません。
とある古くからの生協では、かつて、配達の担当者が組合員のご家庭の冷蔵庫や食品棚の中を確認し、不足する物品を勝手に注文するということで喜ばれていたといいます。勝手にと云うと語弊がありますが、組合員と担当者との信頼関係に基づく暗黙の了解、とでも云っておきましょう。
まさに、これからの生協の注文も、組合員が一切の斟酌をせずに、必要な物品が必要なだけ家庭内に在庫されている。いわゆる家庭内在庫管理と自動注文、これが究極の姿でしょう。これを実現するには、かつては、気の利いた担当者がご家庭に上がり込まないと達成できなかったのかもしれませんが、それは今日的な対応とは云えない部分も多いです。しかし、現在では、そういったことをITの力を借りて実現することが、徐々にですが可能になりつつあります。
すでに、一部の生協で活用されている家計簿アプリや冷蔵庫アプリといったものが、家庭内在庫管理の一翼を担っています。もともと生協で利用された商品の情報は生協が管理しています。家計簿をつけることで、生協以外の販売店で購入した物品の情報を登録することになります。こうして、家計支出を管理する家計簿によって、入ってきた物品を把握することができるようになります。冷蔵庫管理アプリはその反対で、消費した物品を把握するためのものになります。冷蔵庫だけでなく食品棚も管理することで、物品の消費や支出を管理することができるのです。
とはいえ、こうした完全自動型の注文システムやアプリを一気に実現できるかというと、なかなかハードルが高いと云わざるを得ません。自動運転自動車にしても、まず、スタートは衝突警報から始まり、自動ブレーキ、進路逸脱防止、自動車庫入れと段階を踏んで有人運転手が乗車している前提での試験走行にまでたどり着きました。
そこで、アプリの第二のコンセプトは、「成長するアプリ」です。
ユーザビリティー(操作性や使い勝手)や提供するサービス機能について一気に完成形をめざすのではなく、組合員の反応、技術動向や後方支援システムなどの充実度を見据えながら、追加拡張や部分改修をしながら育てていくことが重要です。
これは言葉にすれば簡単なように思えますが、実は、それを実現するためには、アプリの基本構造から見直していく必要があります。
ご承知の通り、スマホのアプリとひとことで云っても、日本で主流となっているアップル社のiPhoneと、Google社の基本OS「アンドロイド」を搭載したスマホとがあり、その両方に対応したプログラムを作らなければならない宿命を背負っています。
このため、最初の製造はもとより、ちょっとした改修も両方に行わなくてはならず、手間も費用も二倍かかるというのが悩みでした。
最近では、両者の違いを包含して、同じ構造のプログラムから両方のプログラムを生成することができるシステムも登場してきています。
こうした最新の技術を活用しながら、アプリを成長させていくことも、より使いやすく、かつ、使われるアプリを提供するためには必要な考え方ではないかと思います。