2017年5月1日月曜日

メルマガあれこれ[連載第20回]

 生協のインターネット事業-新たな挑戦の時 
コープソリューション2017年4月1日号掲載

  4月になり、それぞれの生協でも新年度がスタートして新しい取り組みが始まっていると思いますが、最近のネット上のトレンドを踏まえながら、いくつかヒントになる話題を取り上げてみましょう。

そのメルマガ、携帯で読みますか?

  もはやメールマガジン(メルマガ)がネットプロモーションの主役ではないといわれながら何年もが経過しています。SNSやLINEなども取りざたされていますが、普遍的なツールといわれるだけのシェアを取り切れないためか、メールというオーソドックスなツールがまだまだ主役の座を譲っていない状況です。
  しかし、メルマガも、かつてのようなテキストだけの見栄えのしないものから、画像満載のリッチコンテンツへと変貌を遂げ、個人別対応も含めて引き続き威力ある武器となっています。
  ところが、ここに大きなジレンマが隠されています。
  それは、メルマガを配信するシステムの多くが、今なお、パソコン向けと携帯向けという過去の区分しか持っていないことなのです。
  携帯とはいいながら、その多くはスマホになっていて、パソコン同様にリッチコンテンツや動画ですら当たり前に閲覧できます。
  確かに、かつての携帯、いわゆるガラケーは、通信速度にせよ、表示画面にせよそういったコンテンツには不向きでした。通信コストも、データ量で比較すると、とてつもなく高額だったものです。
  キャリアメールといって、大手通信キャリアのスマホユーザーは、キャリア名を含んだメールアドレスを移用していますが、このメールアドレスには、スマホとガラケーの区分はありません。そのため、多くのメール配信システムでは、キャリアメールアドレスであれば、無条件にテキストだけのメルマガを配信するという仕組みも、まだまだ多く残っています。
  せっかくのリッチコンテンツのメルマガが、多くのスマホユーザーに送れないままになっています。
  ではどうすればいいのでしょう。
  結論から言いますと、システム云々ではなく、まずは、ていねいな対応が必要だということです。
  ユーザーに正しく案内をしましょう。キャリアメールの利用者に、あなたはもしかするとスマホをご利用ではないですか?というアンケートをとることやリッチコンテンツメールがあることをしっかりと伝えることです。
  それによって、これまでスマホは携帯メールを受信するものだと思っている利用者に、パソコン向けのメルマガを選択してもらえるようにする必要があります。
  もちろん、キャリアメールに向けて、テキストメールしか送れないような旧式のシステムの場合は、即刻入れ替えることをおすすめします。
  また、本来的には、登録の際に、パソコンか携帯か、だけではなく、スマホという項目も含めるか、リッチコンテンツメールがいいか、テキストがいいかを利用者自身に判断してもらう項目立てが必要でしょう。
  そして、コンテンツの内容も、パソコンとスマホとでは表示エリアやめにするタイミングが違うことを意識して作る必要があります。
  よりスマホに注力することが重要で、ながら読みや、通勤途上など、ちょっとした時間に見るというシーンを想定した作りがポイントになります。

メルマガコンテンツは一期一会

  かつてのテキストメールでは、文章を読んでもらうことがメールの最重要課題でした。
  リッチコンテンツが中心の現在では、見た目のインパクトのある画像から、文章以上に多くの情報を直感的に認識してもらうことがポイントになります。美味しそうだったり、使って見たい、着てみたいと思わせるような画像がそれです。
  ただ、そういった画像をいくつも並べたとしても、コンテンツは勝ち抜き選手権。選ばれるのはひとつって、ご存知でしたか?
  メルマガが画像中心になり、選ばれたコンテンツの先に、注文サイトやより詳細な情報サイトがあるという構造になると、特にスマホにおいては、メルマガ上でタップされたコンテンツ以外は、タップしてWebページなどに遷移した瞬間にメールアプリが閉じてしまいますので、メルマガをもう一度開きでもしない限り、見られることはほとんどありません。
  ですから、メルマガコンテンツは、あまり欲張って何でも載せるのではなく、より選ばれた先鋭度の高いものを中心に、少数精鋭で構成しておくことが大切だと云えます。
  まさに一期一会のコンテンツですね。