コープソリューション2015年10月1日号掲載
とどまるところを知らないといわれたスマホ(スマートフォン)の普及も、そろそろ頭打ちにはなってきているようだ。しかし、それはピークを過ぎたというわけではない。2014年度末での世帯普及率が65%に達し、伸び率は横ばいで、もはや飽和状態になっているのかもしれない。
このことがもたらしたのが高齢者層のネット利用の増加だ。60歳代で75%、70歳代も半数に達している。しかも、過去4年間の伸びは両年代とも10%とあらゆる世代を凌駕している。
この状況を支えているのが、いわゆる都市部以外でのスマホ普及だ。実名を挙げて恐縮だが、佐賀県のスマホ普及の拡大は年率10%を超えている。そのほか、地方、過疎、高齢化の代名詞的な諸県が拡大率上位に連なっている。
最近、生協におけるネット注文の利用状況も変化が見られるという。これまで、若年層への若干の偏りが見られた年代別利用も、OCRなど非ネット利用との差違はほとんどなくなってきている。
一方で、スマホからの注文の比率は、各地で40%を超えつつあり、いわゆる都市部以外の生協のほうがやや高い傾向があるという。いずれ遠くない時期にパソコンと並ぶことが予想されている。
※残念ながら、スマホと利用者年代との相関や経年変化については、まだ充分な情報を得ていない。
こうした状況をすでに経験しているネット業界では、「モバイルシフト」や「モバイルファースト」といった言葉で、パソコンに優先してスマホに対応する必要性が叫ばれてきた。
しかし、すべての企業が対応できているわけではなく、最近でも、『探検ドリランド』や釣りゲームで一世を風靡したグリーが、業績悪化で経営危機に瀕していると報じられたが、その一因にモバイル対応の遅れが指摘されている。
生協のネット注文もこうしたモバイルへの流れに充分対応できていない状況が見られている。
日生協が提供するCWS共同基盤でも、一番肝心のログイン画面は、キー操作型の携帯サイトのままで、今般ようやくスマホのタッチ操作優先に対応する。大手生協のサイトでも、携帯サイトをスマホ向けに変換するツールでしのいでいるケースも見受けられる。
やや技術寄りの話で恐縮だが、パソコンとスマホの両方に対応できるサイトを作る「レスポンシブWebデザイン」という技法がもてはやされている。
パソコンサイトを作ったり変更したりしたら、スマホでも見やすいサイトが自動的に生成されるというものだ。
パソコンサイトの画像や文字情報が、スマホでも見やすいレイアウトに変換されたり、マウスクリックと画面タッチの違いを吸収してくれたりしている。
たしかに、作る側の手間も削減され、使う側にもメリットはある。だが、これで、ほんとうに「モバイルファースト」(スマホを優先したサイト作り)といえるのだろうか。
どこまでいっても、パソコンの大きな画面やマウス操作ありきで、スマホに向けて変換できるところだけを対応している。最初から、スマホを利用することを前提としたサイトになっていないなかで、初めて手にしたスマホ、使い方のわからないネット注文に接する高齢者層をどこまで取り込めるかには疑問を感じざるを得ない。
高齢者のネット注文を考える上で、もうひとつ意識しておかなくてはならないのがスマホの画面の小ささだ。たしかに6インチと大型化はしているが、それでも、まだ充分な視認性があるとは云えない。
最近、あるところで、低価格のタブレット端末の販売をお手伝いしているが、利用者の中での60歳代以上の比率がかなり高い。声を聞いてみるとスマホの画面や文字の小ささからの避難という色合いがある。
ただ、タブレットの大画面をしても、それに見合った情報提供の仕方、サイトの作り方、注文ツールが整備されていなければ利用には結びつかない。また、画面の大きさによる視認性の改善は進んだとしても、タッチ操作には、まだまだハードルがあることもわかってきた。
スマホやタブレットに適応し、高齢者による注文操作のバリアフリーまでを考慮するのが生協における「モバイルファースト」なサイトのあり方なのではないだろうか。
とどまるところを知らないといわれたスマホ(スマートフォン)の普及も、そろそろ頭打ちにはなってきているようだ。しかし、それはピークを過ぎたというわけではない。2014年度末での世帯普及率が65%に達し、伸び率は横ばいで、もはや飽和状態になっているのかもしれない。
このことがもたらしたのが高齢者層のネット利用の増加だ。60歳代で75%、70歳代も半数に達している。しかも、過去4年間の伸びは両年代とも10%とあらゆる世代を凌駕している。
この状況を支えているのが、いわゆる都市部以外でのスマホ普及だ。実名を挙げて恐縮だが、佐賀県のスマホ普及の拡大は年率10%を超えている。そのほか、地方、過疎、高齢化の代名詞的な諸県が拡大率上位に連なっている。
最近、生協におけるネット注文の利用状況も変化が見られるという。これまで、若年層への若干の偏りが見られた年代別利用も、OCRなど非ネット利用との差違はほとんどなくなってきている。
一方で、スマホからの注文の比率は、各地で40%を超えつつあり、いわゆる都市部以外の生協のほうがやや高い傾向があるという。いずれ遠くない時期にパソコンと並ぶことが予想されている。
※残念ながら、スマホと利用者年代との相関や経年変化については、まだ充分な情報を得ていない。
こうした状況をすでに経験しているネット業界では、「モバイルシフト」や「モバイルファースト」といった言葉で、パソコンに優先してスマホに対応する必要性が叫ばれてきた。
しかし、すべての企業が対応できているわけではなく、最近でも、『探検ドリランド』や釣りゲームで一世を風靡したグリーが、業績悪化で経営危機に瀕していると報じられたが、その一因にモバイル対応の遅れが指摘されている。
生協のネット注文もこうしたモバイルへの流れに充分対応できていない状況が見られている。
日生協が提供するCWS共同基盤でも、一番肝心のログイン画面は、キー操作型の携帯サイトのままで、今般ようやくスマホのタッチ操作優先に対応する。大手生協のサイトでも、携帯サイトをスマホ向けに変換するツールでしのいでいるケースも見受けられる。
やや技術寄りの話で恐縮だが、パソコンとスマホの両方に対応できるサイトを作る「レスポンシブWebデザイン」という技法がもてはやされている。
パソコンサイトを作ったり変更したりしたら、スマホでも見やすいサイトが自動的に生成されるというものだ。
パソコンサイトの画像や文字情報が、スマホでも見やすいレイアウトに変換されたり、マウスクリックと画面タッチの違いを吸収してくれたりしている。
たしかに、作る側の手間も削減され、使う側にもメリットはある。だが、これで、ほんとうに「モバイルファースト」(スマホを優先したサイト作り)といえるのだろうか。
どこまでいっても、パソコンの大きな画面やマウス操作ありきで、スマホに向けて変換できるところだけを対応している。最初から、スマホを利用することを前提としたサイトになっていないなかで、初めて手にしたスマホ、使い方のわからないネット注文に接する高齢者層をどこまで取り込めるかには疑問を感じざるを得ない。
高齢者のネット注文を考える上で、もうひとつ意識しておかなくてはならないのがスマホの画面の小ささだ。たしかに6インチと大型化はしているが、それでも、まだ充分な視認性があるとは云えない。
最近、あるところで、低価格のタブレット端末の販売をお手伝いしているが、利用者の中での60歳代以上の比率がかなり高い。声を聞いてみるとスマホの画面や文字の小ささからの避難という色合いがある。
ただ、タブレットの大画面をしても、それに見合った情報提供の仕方、サイトの作り方、注文ツールが整備されていなければ利用には結びつかない。また、画面の大きさによる視認性の改善は進んだとしても、タッチ操作には、まだまだハードルがあることもわかってきた。
スマホやタブレットに適応し、高齢者による注文操作のバリアフリーまでを考慮するのが生協における「モバイルファースト」なサイトのあり方なのではないだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿