株式会社ジヤストシステムのセルフ型ネットリサーチ「Fastask(ファストアスク)」で、2014年11月17曰(月)~11月17曰(月)に実施されたアンケート調査の結果から、スマホからのEC利用動向を見てみました。
調査対象は、Fastaskモニタのうち、事前の調査で「直近半年以内にネットショツピングを利用した」と回答した20代~50代の男女1,000名です。
Fastaskは、調査結果の分析よりも生の詳細データを公表していることもあって、独自に評価分析できるところが特徴です。
※グラフは、クリックで拡大表示できます。
●ネットショッピングの利用頻度
グラフの赤枠の部分が、週に1回以上~月に1回以上の利用頻度の合計で、おおむね80%に達します。
週に1回およびそれ以上も約20%と、ネットショッピングが、生活に浸透してきていることがよくわかります。
利用頻度を性別、年代別でクロスしてみると、月に1回以上の頻度で利用している80%について、性別で大きく差があることがわかります。
男性が83%に対して、女性は77.6%と上下6ポイントも差があります。
※青い囲み。
特に女性の20台では75.2%と、性別年代別で最も低くなっています。
※赤枠
ところが、女性20代の週1回以上利用と、30代の週1回利用は、他の年代を大きく引き離しています。
※黒枠
このあたりは、もう少しデータが欲しいところですが、20代30代の未婚女性が牽引している可能性があるのかもしれません。
●利用するデバイスについて
ネットショッピングに利用するデバイス(端末機器)については、これだけモバイル機器が増えたといわれている中でも、87.1%がPC利用が多いと回答しており、スマホは6.7%に過ぎません。
比率的には、タブレット端末の3.8%のほうが意外に健闘しているという印象すらあります。これは、一因としては、サイト側のモバイル対応がまだ充分でないことが想定されます。
性別、年代とクロスさせてみますと、男性は年代の上昇とともにPC利用が多くなるのが傾向というレベルで確認されますが、女性は、30代で、スマホ利用が平均の2.5倍、20代では実に3.5倍という高い数値となっており、若い女性層ではスマホの浸透がかなり進んできている印象を受けています。
※赤枠
利用頻度と利用するデバイスとの相関関係では、週1回以上のスマホ利用がやや高い数値となっているのは、20代女性の利用頻度とスマホ利用比率の高い要素がこのポイントに集中した結果となっているものと思われます。
※赤枠
週1回、および1回以上の利用頻度がタブレットで高く表示されていますが、タブレットの利用者が全体の3.8%ですので、特別な傾向というには基礎となる数値が少なすぎます。
※青枠
●まとめ
ネットショッピングの利用頻度については、おおむね月1回以上の利用が定着しつつあると考えても間違いなさそうです。この利用頻度を前提としたリピーター対策が、これからの重要課題となってくるものと思われます。
一方、モバイルの利用については、世間で喧伝されているようなレベルにはまだ至っていません。しかし、現状自身が、ショッピングサイトの対応が、本当にモバイルファーストといわれるように、モバイルでの利用でもPCに遜色のない操作性やユーザビリティが確保できているかによっても、本来、もっと高いはずのモバイル利用を、自ら阻害している可能性もありますので、一概に、モバイルの浸透を否定はできないと思われます。引き続き、モバイルの動向を注視する必要があると思われます。