2020年5月1日金曜日

やってみませんか? Web会議[連載第56回]

 生協のインターネット事業-新たな挑戦の時 
コープソリューション2020年4月1日号掲載


 パンデミックの中心が欧米に移り拡大の一途で、収束の兆しが見えなくなっている新型コロナウイルス。ある程度の長期対策は不可避となりつつあるなかで、これをきっかけとしながら、これまでの仕事のやり方やすすめ方を変えようという取り組みも進んでいます。そのひとつがWeb会議です。多人数だけでなく、一対一という使い方もありますので、会議というよりもWebコミュニケーションというべきかもしれません。 



■ 緊急時ならではのスピード感

 ウイルス禍の影響で、やや過去の話題のようにすら思えてきた「働き方改革」。
その中でも、もてはやされていたテレワークですが、いまや、否応なく導入せざるを得ない状況です。
 先行して準備を整えていたところも多かったようで、思いのほか在宅での勤務にスムーズに移行できたという事例が報告されています。
 もちろん、設備や機器といったインフラ回りから、労使間の合意形成といった制度やルールまで、通常であれば年という時間のかかる課題が、一気に進んだようです。緊急時ならではのスピードを感じた場面も多かったのではないでしょうか。
 ただ、テレワークというと在宅であったり、遠隔地間での移動を削減できたりというメリットの反面、コミュニケーションギャップなどが懸念されてきました。
 それについては、昨今のネットワーク事情から、電話やメールだけではなく、Web会議を通じて、あたかも社内で対面の打ち合わせを行っているのと遜色ないコミュニケーションを図れる環境が整っていたことも、こうした新しい働き方を広めることができた一因だと思われます。

■ 意外に手軽なWeb会議

 Web会議は、実際にやってみると、その手軽さや便利さに驚くことが多いと思います。
 会議室に大型モニターやカメラといった設備が必要と思われるかもしれませんが、参加者それぞれがノートPCなどを持っている職場環境では、もはや会議室すら必要なくなります。
 筆者だけが外部からWebで参加しているケースでは、会場にタブレット端末が1台だけあり、それと接続することで、モニターも、カメラも、音声もすべてまかなってくれます。
 資料はあらかじめファイル共有しておくと、会議室の様子もカメラでしっかり確認できますので、臨場感もあり、音声だけでは伝わりきらない場の雰囲気も感じ取ることもできます。
 それぞれが職場のデスクからWeb会議に参加するケースも増えてきていますが、その場合は、スマホなどでよく使われるマイク付きのイヤホンを使うことで、会議の音声が周囲の迷惑にもなりません。また、自分が発言するのは、電話をかけている声が周囲には聞こえているのと同じです。
 そのほか、双方向の発言や議論の少ない、報告と指示が中心の会議の場合、最近のWeb会議ツールでは、自動録画機能もあるので、リアルタイムに参加できない場合は時間をずらして視聴するタイムシフトという参加方法もとれます。
 例えば、全店舗の部門チーフの会議で、参加者はもちろん自分の店を離れることなく参加し、本部からは運営責任者や商品バイヤーが報告や説明をし、売場の実例をいくつかの店舗の実際の売場からスマホのカメラで写しながら報告をしてもらうという会議構成も実現できます。

■ 電話より高効率なWeb会議

 一対一のコミュニケーションであれば、電話でも充分と思われるかもしれませんが、We

 対面によって伝わる情報量は、電話などの音声だけの場合より飛躍的に多いことはよく知られている通りです。Webによって、対面に近い、より効率的なコミュニケーションを図るべきでしょう。b会議のツールには画面共有という機能があり、お互いにパソコン上に同じ資料を映し出しながら、内容を説明したり、その場で修正したり追記したりすることもできるのです。この機能を活用すれば、遠隔地にいながらひとつの資料をまとめたりするコラボレーションも容易です。
 もちろん、われわれの国民性から、どうしてもカメラに対する忌避感があることは否めません。ただ、それを有用なツールが広まらない理由にして現状を脱却できないというのはあまりにも惜しい話です。
 まずは慣れるところから。少しずつでも始めて行くことが大切です。