生協のインターネット事業-新たな挑戦の時
コープソリューション2018年12月1日号掲載
いまや、冷蔵庫などの家電製品ですら、ドアを見れば庫内の温度や冷却のパワーなどが一望できます。目に見えない機械内部の状況を一望できるようにした機能、この名前の由来が、いにしえの馬車の泥よけだった?世界中の人が、コーヒーの残り具合を気にしていたコーヒーポットが存在した?まるで、テレビのクイズ番組のような話題から、働き改革やIT経営の話へとつながっていきます。
いまから25年ほど前に、世界で一番有名なコーヒーポットがあったことをご存じでしょうか。
イギリスのケンブリッジ大学で、研究室のコーヒーポットにコーヒーが入ったことを確認してから飲みに行くため、Webカメラを設置してインターネット越しに誰でもが見られるようにしたというものです。
当時これぞインターネットと、世界中からアクセスが殺到したそうで、筆者もそのひとりでした。
わざわざ、その場所に出向かなくても、状況を確認することができる「可視化」、「見える化」。コーヒーポットから25年、この考え方は、製造業だけでなく、あらゆる分野のIoTの根幹に当たり、作業の合理化や効率化の端緒として大きな広がりを見せています。
ひとつの例として、自動車の黎明期を考えてみましょう。最初の自動車は馬車からエンジンへと動力源が変わったものでした。馬車であれば「馬」という生き物の健康状態を長年の経験を積んだ馬丁や馭者と呼ばれる専門職がすべてを掌握していました。ところが自動車のエンジンに精通した人はそうはいません。自動車が普及するためには、ある程度の訓練を受けた程度のひとでも使いこなせる必要がありました。
そこで、エンジンの温度や回転数を表示する計器、燃料の残量計、走行スピード計、走行距離計などが次々と生み出され、エンジンルームと運転席を隔てる仕切り板に取りつけて自動車の状況をひとめで確認できる計器板としました。
これがダッシュボードで、馬車の時代に馬が跳ね上げる泥や砂礫から御者を保護し、加速(ダッシュ)の際に脚を踏ん張ることもあったことに由来するそうです。
こうして、経験則でしか運用できなかった馬車から、情報を読み取ることで状況を把握できる自動車へと道具が移り変わったのは、馬力やコストもさることながら、可視化、見える化が重要なファクターのひとつだったからではないかと思います。
同じような考え方で、様々な機械や装置でも計測機器を並べたダッシュボードが登場してきました。家庭用電気製品の洗濯機や電子レンジでも、捜査と状況表示を兼ねたボタンや液晶表示があるのが当たり前になっていますが、いずれも、このダッシュボードの一種です。
情報を一ヶ所に集約するダッシュボードの考え方は、道具や機械が精密化し高度化する中で、外からではうかがい知れないブラックボックス化させないための知恵だったわけです。
様々な情報が発信され集約され判断される経営の世界でも、ダッシュボードの必要性は古くから唱えられてきていました。
ただ、経営における情報を集約したダッシュボードは、長くは報告書といった紙の資料で、即時性やリアルタイム性はなかなか実現できなかったものです。
ところが、昨今は、様々な経営管理ツールでも、ダッシュボードをあらかじめ搭載しているものが増えています。
一時期もてはやされたERP(Enterprise Resources Planning)システムも多くは基幹系の情報システムを意味することが多く、経営層に対して直接、リアルタイムやジャストタイムで経営判断のための情報を提供するものではありません。
一方で、Web系のツールではパソコンやスマホでかんたんにダッシュボードを見ることができるものが増えてきています。経営層は、執務室であれ外出際であれ、常に経営判断ができる環境にいることができるわけです。
これも広い意味で、経営の「見える化」、「可視化」であり、IoTやIT経営の第一歩といえるものです。
働き方改革が叫ばれる中、現場で何が問題となっているのか、業績向上の障害は何なのか、組織のあらゆる役割や階層の中で、最も求められているのが、それらを明らかにするダッシュボードなのです。
いま、あなたの経営的、事業的、業務上の判断に寄与するダッシュボードはどこにあるのでしょうか?
いまから25年ほど前に、世界で一番有名なコーヒーポットがあったことをご存じでしょうか。
イギリスのケンブリッジ大学で、研究室のコーヒーポットにコーヒーが入ったことを確認してから飲みに行くため、Webカメラを設置してインターネット越しに誰でもが見られるようにしたというものです。

わざわざ、その場所に出向かなくても、状況を確認することができる「可視化」、「見える化」。コーヒーポットから25年、この考え方は、製造業だけでなく、あらゆる分野のIoTの根幹に当たり、作業の合理化や効率化の端緒として大きな広がりを見せています。
ひとつの例として、自動車の黎明期を考えてみましょう。最初の自動車は馬車からエンジンへと動力源が変わったものでした。馬車であれば「馬」という生き物の健康状態を長年の経験を積んだ馬丁や馭者と呼ばれる専門職がすべてを掌握していました。ところが自動車のエンジンに精通した人はそうはいません。自動車が普及するためには、ある程度の訓練を受けた程度のひとでも使いこなせる必要がありました。
そこで、エンジンの温度や回転数を表示する計器、燃料の残量計、走行スピード計、走行距離計などが次々と生み出され、エンジンルームと運転席を隔てる仕切り板に取りつけて自動車の状況をひとめで確認できる計器板としました。
これがダッシュボードで、馬車の時代に馬が跳ね上げる泥や砂礫から御者を保護し、加速(ダッシュ)の際に脚を踏ん張ることもあったことに由来するそうです。
こうして、経験則でしか運用できなかった馬車から、情報を読み取ることで状況を把握できる自動車へと道具が移り変わったのは、馬力やコストもさることながら、可視化、見える化が重要なファクターのひとつだったからではないかと思います。
同じような考え方で、様々な機械や装置でも計測機器を並べたダッシュボードが登場してきました。家庭用電気製品の洗濯機や電子レンジでも、捜査と状況表示を兼ねたボタンや液晶表示があるのが当たり前になっていますが、いずれも、このダッシュボードの一種です。
情報を一ヶ所に集約するダッシュボードの考え方は、道具や機械が精密化し高度化する中で、外からではうかがい知れないブラックボックス化させないための知恵だったわけです。
様々な情報が発信され集約され判断される経営の世界でも、ダッシュボードの必要性は古くから唱えられてきていました。
ただ、経営における情報を集約したダッシュボードは、長くは報告書といった紙の資料で、即時性やリアルタイム性はなかなか実現できなかったものです。
ところが、昨今は、様々な経営管理ツールでも、ダッシュボードをあらかじめ搭載しているものが増えています。
一時期もてはやされたERP(Enterprise Resources Planning)システムも多くは基幹系の情報システムを意味することが多く、経営層に対して直接、リアルタイムやジャストタイムで経営判断のための情報を提供するものではありません。
一方で、Web系のツールではパソコンやスマホでかんたんにダッシュボードを見ることができるものが増えてきています。経営層は、執務室であれ外出際であれ、常に経営判断ができる環境にいることができるわけです。
これも広い意味で、経営の「見える化」、「可視化」であり、IoTやIT経営の第一歩といえるものです。
働き方改革が叫ばれる中、現場で何が問題となっているのか、業績向上の障害は何なのか、組織のあらゆる役割や階層の中で、最も求められているのが、それらを明らかにするダッシュボードなのです。
いま、あなたの経営的、事業的、業務上の判断に寄与するダッシュボードはどこにあるのでしょうか?