ビジネスでメールを利用する際のマナー |
[抄録]
メールは素早く確実に相手に要件を伝えることができる一方で、相手の顔が見えないというデメリットをカバーするために状況を考えながら使い分けることが必要となる。また、同じ内容を相手だけでなく複数人の関係者に一斉送信できるCC機能は、ビジネスのスピードをあげる上で大変役に立つだろう。
メールは忙しいビジネス社会において相手の仕事の手を止めずに連絡をすることができ、相手の状況に配慮した通信手段です。耳で聞く電話と違って用件が確実に伝わりますし、何度でも読み返すことも可能です。
こうした点で便利なメールですが、一方では直接会って反応を見ながらの会話や質問に即答できないといったデメリットもあります。また、商談を左右するような局面やミスをしたお詫びなどについては、一般的には直接足を運ぶほうが好印象を与え評価も高くなると言われますので、何でもメールで片づけてしまうという姿勢は避けた方がいいでしょう。
■ ビジネスメールの独自マナー
ビジネスメールといっても特別なものではありませんが、仲の良い友人との気軽なメールとは違い、独自のルールやマナーがあります。
まず、ビジネスメールの場合、タイトルは内容を要領よく表現したものである必要があります。「ご連絡」とか「ご訪問の件」などのように抽象的では数多く届くメールの中で埋もれてしまいますし、中身を見るまで内容が想像できないなど、忙しい相手には敬遠されてしまう場合もあります。「明日の面談30分繰り下げのお願い」「昨日のセミナー資料添付します」といった具体的で端的な書き方をマスターしましょう。
もちろん、「(^^;) 」といった顔文字や「(汗)」などのムード表現は厳禁ですし、文章は敬語、謙譲語を使い分けてあいまいな表現や言葉使いは避けましょう。語尾も「です。」「ます。」に統一するといいでしょう。
添付ファイルも要注意です。ブロードバンド時代ですから多少大きな容量のファイルもそれほど時間がかからず届けることはできますが、それでもネットワークに負担がかかりますので圧縮ツールで容量を減らして添付するなどの配慮が必要です。もちろん添付する前にウイルスチェックを行うことは最低限のルールです。ウイルス感染したファイルを送付することは、社会的な制裁すら覚悟しなくてはならないほど重大なミスなのです。
■ CCの便利な活用法
メール独特の機能を上手に活用する例としてCC(カーボンコピー)の活用があります。メールの宛先の次にはCCという別の宛先欄が表示されているはずです。これは同じメールをこの宛先にも送るという機能です。同報するだけなら宛先欄に並べて書けばいいのですが、あえてコピーとして送るのは、宛先はメールを送る目的の相手、CCには社内の関係者や自分の上司を入れて、客先とこういう商談をしていますよという報告やアピールを兼ねるとともに、客先に対しては、「このメールは私だけでなく、上司も了解している内容なのですよ」という安心感を与える役目も果たしてくれます。
このように、ルールとマナーを理解してメールを活用していけば、低コストでスピーディな通信・広報手段として皆さんのビジネスをプラス方向に導いてくれることでしょう。
(株)リックテレコム社刊「COMPASS(コンパス)2005年夏号」掲載
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